孫慮：孫権の次子で二十歳で散った悲運の英才皇子【すぐわかる要約付き】

1分でわかる忙しい人のための孫慮（そんりょ）の紹介
孫慮の生涯を徹底解説！聡明な皇子として期待されながら夭折した呉の鎮軍大将軍
参考文献
孫慮のFAQ
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1分でわかる忙しい人のための孫慮（そんりょ）の紹介

孫慮（そんりょ）、字は子智（しち）、出身は呉郡富春、生没年（213～232年）

孫慮は三国時代・呉の皇子で、孫権の次男として生まれた人物である。幼少より聡明で才能に富み、文武両道に優れた人物として知られた。

黄武七年（228年）に建昌侯に封じられ、潘濬の娘を妻に迎えた。丞相顧雍らがその才覚を讃え、王への昇格を進言したが、孫権は慎重を期してこれを許さなかった。
その後、黄龍三年（231年）、尚書僕射存が上疏して「帝王の興は親族を崇めることにあり」と説き、孫慮を鎮軍大将軍とするよう勧めた。これにより孫慮は假節を受け開府し、半州を治めることとなった。
若くして高位に就いたが、驕ることなく法度を守り、師友を敬って人々の期待を超えるほどの姿勢を示した。嘉禾元年（232年）、わずか二十歳で薨去し、子がなかったため封国は廃された。

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孫慮の生涯を徹底解説！聡明な皇子として期待されながら夭折した呉の鎮軍大将軍

聡明なる皇子の誕生と寵愛

建安十八年（213年）、孫権の次男として、孫慮が誕生した。ちょうど第一次濡須口の戦いで、曹操に攻め込まれて、孫権軍がなんとか退けた年であった。
彼は幼い頃から、学ぶ姿も遊ぶ姿も普通ではなかった。文芸にも技芸にも通じ、まるで「遊びながら学び、学びながら遊ぶ」という天才のようだった。
その才を見た孫権は、大きく目をかけ、他の子らとは一線を画して寵愛した。皇子としての名誉も地位もまだ先とはいえ、すでに人々の期待を一身に背負っていた。

また孫慮は闘鴨を好んでいたが、陸遜は厳しく諫めて「君侯は経典を読み、学識を増すべきである。鳥を弄んで何の益があるのか」と言った。孫慮はすぐさま闘鴨場を壊したという、素直な一面もあった。

建昌侯に封ぜられる若き英才

黄武七年（228年）、孫慮はその若さでありながら建昌侯に封じられた。英才への期待は、爵位となって現れたわけである。
黄武九年（230年）、丞相顧雍らは「孫慮殿は聡明で才にあふれ、志を日々更新しております。もはや漢代の諸侯にも劣らぬ存在、これは王にふさわしい」と熱烈アピールの上奏を行った。
しかし、父・孫権は冷静沈着に「まだ早い」とこれを却下。どうやら“親バカ”を自覚していたらしい。
なおこの頃、孫慮には重臣・潘濬の娘が妻として迎えられ、政略と良縁が手を取り合う形となった。

鎮軍大将軍としての任命と開府

黄龍三年（231年）、尚書僕射・存が上疏してこう言った。
「帝王の力とは、親族をうまく使うところにあります。建昌侯・孫慮はその筆頭。文も武もこなす上に、性格も申し分なし。これはもう、大将軍にして地方を任せるしかございません」と、存という人物が誰かわからないが、やや押しの強い推薦である。
これに対し孫権も「確かに」と納得し、孫慮に假節（臨機応変に法を超えて指揮できる特権）を与え、府を開かせて半州を治めさせた。
詔には「乱世の今こそ、孫慮のような武略ある者が必要」とあり、親バカでは済まされない国政判断だったことがうかがえる。

なお、補佐役には知識の鬼・薛綜が長史として抜擢され、軍府は「若き才能と老練の知恵」で構成される理想チームとなった。
孫慮は若年ながらも驕らず、規律を守り、先輩たちに敬意を払いつつ政務に励み、その実力は「期待以上」と評された。

若き死と惜しまれた才

嘉禾元年（232年）正月、孫慮はわずか二十歳で薨去した。病名も、事故か事件かも、史書は多くを語らない。
その死はあまりに突然で、朝廷は文字通り凍りついたという。孫権は深い悲しみに沈み、日々の政務にも支障をきたすほどであった。
子がなかったため、封国はそのまま除かれ、「建昌侯国」は歴史の舞台から姿を消すこととなった。
『三国志』で陳寿は「孫慮・孫和はいずれも善を好み、自らを律し、惜しくも一人は短命、一人は非命。哀れむべきことだ」と評した。
あれだけ将来を嘱望され、まさにこれから、という矢先の別れ。孫権の胸中を思えば、寵愛の深さと喪失の痛みが想像に難くない。
武にも文にも通じた若き英才の死は、呉の王家にとって計り知れぬ損失であった。

参考文献

孫慮のFAQ

孫慮の字（あざな）は？

孫慮の字は子智（しち）です。

孫慮はどんな人物？

孫慮は幼いころから聡明で学問と武芸に優れ、孫権に寵愛されました。

孫慮の最後はどうなった？

嘉禾元年（232年）に二十歳で薨去しました。子がなかったため、封国は除かれました。

孫慮は誰に仕えた？

孫慮は呉の皇子であり、父である孫権に仕えました。

孫慮にまつわるエピソードは？

尚書僕射存が孫慮の才能を称え、鎮軍大将軍として任命を勧めた際、孫権は詔をもって「文武に秀で、国家を助けるに足る」と述べています。この言葉は孫権が息子の能力を深く信じていた証とされています。